世界はとっても美しくて
こんにちは。
毎朝、子供たちを保育園に送った後、
12歳になる犬と散歩に出かけます。
耳が長くて、どんぐりみたいな目をしていて、
睫毛が異様に長い、不思議な犬です。
会ったばかりの頃は真っ黒で、
でも今は耳と口元が白くなってきていて、
すっかりおじいちゃんみたいになりました。
でも、いつだって、私の大切な犬です。
自分のお母さんと離れて、見知らぬ私のところに来てくれた、勇敢な犬です。
その犬と、毎朝小一時間、散歩をします。
太陽の光がはちみつの色みたいに射していて、暖かで、意地悪な寒さはなくて、
そして、頭を空っぽにして、
どんどん色付く、ドウダンツツジや、紅葉、
その他、名前の知らない木を見ながら、ずっと歩きます。
ベージュ、少し濁った薄いだいだい色、さつまいもの皮みたいな色の葉っぱもあります。
太陽の光が葉に射していて、
赤と朱色とオレンジ色とだいだい色と山吹色にぴかぴか光っているのを見ると、
ただただ、美しくて、
少し泣きそうになります。
黄緑色から、ぱっきりとした黄色になっている銀杏。
げじげじした葉、葉脈がくっきり見える葉。
星みたいな形の葉。
落ち葉のじゅうたんのような道。
枯れ葉の懐かしい気持ちにさせる匂い、香り。マスクを外して、思い切り吸い込みます。
どうやって、こんなに美しいことができるんだろうと、いつも感じます。
5歳の娘曰く。
私たちが夜、ぐっすり眠っている間に、
にいにい(犬のことをにいにいと呼びます)が
こっそり外へ出て、
そうして、ペンキで葉っぱにきれいな色を塗っているんですって。
そして、みんなが起きる前に、またこっそりと
家に戻ってきて、何事もなかったかのように、ソファでぐーすか寝ている、らしいです。
だから、いつもぐったり眠っているのね。
世界はとっても美しいのです。
読んでくださってありがとうございます。