日々のこと 感じたこと

HSP/子育て中の私の備忘録です

美しい人たち

こんにちは。

今日は、1日中曇り空ですね。少しだけ湿った風になってきました。

オオイヌノフグリは、気温がちょうどいいと、パッと咲いていて、

今日みたいに寒いと、みんな閉じていました。

おもしろい。ちゃんと、適切な温度を理解しているんだなぁ、と。

あんなに小さな花なのに、ちゃんと、知っていて、自然って

おもしろいし、すごいなぁ、といつも感動します。

 

こんな曇天で、気持ちもしょーんとしてしまう日には。

美しい人たちのお話にしましょう。

 

2番目の子供を出産する前、

私はとある、いわゆる、高級スーパーで仕事をしていました。

それまで、こんなにもたくさんの種類の人に出会う仕事をしたことがなかったので、

とてもいい経験をしたな、と思っています。

 

いろいろな人がお買い物に来て、レジでお金を支払って、お店を後にします。

私は、そのスーパーの店員として、その場にいて、

通過していく人たち(お客様)を見ていました。

定点観測みたいに。

 

お会計のところでは列になってしまうことがありました。

穏やかに待っている人、あからさまにイライラしている人、

店員にありがとうね、と言う人、店員を見下してお金を払う立場の人(お客様)が

えらい、と思っている人、精神的に自立した人、他者に甘えている人(でも

本人は気づいていません)、自分の要求が通ることが当たり前だと思っている人、

いつもニコニコとしていてこちらが元気をもらえるくらい明るい人、などなど。

 

働き始めた当初は、びっくりすることもありました。

世の中には、本当に様々な人がいて、私の想像を超えるところで、

ものを考えたり、言っている人たちもいて、

ああ、本当に、100人いたら、100通りの人、なんだなぁ、ということが

よくわかりました。

 

この仕事を辞めて、もう何か月も経ちますが、

心に残っているお客様たち。

 

私が素敵だな、美しい人ってこういう人なんだな、と思ったお客様・・・

もう80歳を過ぎたとても品の良いおばあちゃまで、でも、

自分が「年寄りだから」というのに全く寄りかかっていなくて、

できることは、ちゃんと自分でやるわ、頼りにできるのは自分ですものね、と

おっしゃっていて、こういう人が、精神的に自立した人なんだなぁというのを

教えてくださいました。

このおばあちゃまのように、自分の軸がしっかりしていて、甘えが見えない人ほど、

私は何か手助けしたい、と純粋に思えます。

そして、こちらの手助けを「いいわよ、止めて、私は自分でやるのよ!」と

突っぱねることもなく(いわゆるかわいくない年寄り!)、

「あら・・・・どうもありがとうね。もうおばあちゃんになっちゃったわね」と

可愛らしく笑って、素直に受け取ってくださいました。

ご病気をされて、最後の方は会えなくなってしまいましたが、

今でも、あの美しいおばあちゃまが、元気でいてくれたら・・・・と思います。

しゃんとしていて、とても美しいお客様です。

 

それから。

はーーすごいな、こんな素敵なシーンを見せてもらえて、

私は本当にラッキーだな、と思ったこと。

私はその時、レジ係をしていました。

「お会計、〇〇〇〇円になります」と伝えて、

あるお客様が、お財布からお金を取り出そうとしていました。

端数の小銭を出そうと一生懸命でした(年を取ると、指先がなかなか

言うこと利かないのよ、とおっしゃるお客様がたくさんいました)。

最後の1円だけが、なかなか出せずにいました。

 

それをさっと察知した、後ろに並んでいらっしゃったお客様が

「はいどうぞ、この1円使ってください」と1円をトレーの上に出しました。

前にいた1円を出せずに苦労していたお客様は、びっくりして

「まぁ・・・・・すみません、申し訳ないです・・・・・」と。

その後ろに並んでいらっしゃったお客様は、微笑みながら

「では、今度、誰かが1円が見つからなくて、困っていた時、どうぞ

その方を助けてあげてくださいな」とおっしゃいました。

 

私は、そんなシーン、生まれて初めて見ましたが、

なんだかとっても、ぞわーっと鳥肌が立って、感動しました。

自分が、あなたが、だけじゃなくて、

困っている人がいたら、さっと、何かできることをする。

自分が困っている時に、ふいに誰かが助けてくれたこと、そして

とてもうれしいなぁと思ったこと、人は、優しいんだなぁと思ったこと。

そして、自分も、誰かが困っていたら、小さな手助けみたいなことをする、こと。

 

小さな手助け、ありがとう、優しいね、うれしかった、今度は自分が

誰かを助けてみよう、という、この小さなバトンリレーみたいなもの。

 

その1円をさっと出されたお客様。

人からいい人と思われたい、とか、なんというか、

他人の目を意識した行動、というよりも、

その方の本当の優しい気持ちからなされた行動で、

とても感動的でした。

そして、わぁ、いいね、これ、この素敵なバトンリレー、

私もやるわー!ってうれしい気持ちになりました。

目の前で、本当にとってもいい光景を見ることができました。

 

場所柄、他にも本当にたくさんの素敵な方々がやって来ました。

みんな、変わらず、元気でいらっしゃるかしら。

今でもふと、思い出します。